睡眠時無呼吸症候群
睡眠と生活習慣病との深い関係
日本人の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。特に子供や就労者、中でも女性は家事や育児の負担が大きいため男性よりも睡眠時間が短く、慢性的な寝不足状態となっています。
慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られており、食欲の増大・糖尿病・心筋梗塞・狭心症などの生活習慣病を引き起す原因となります。
睡眠障害と生活習慣病
睡眠障害もまた生活習慣病の発症に関わっています。特に睡眠時無呼吸症候群や不眠症の方が多く、5~10年後には高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害などに罹りやすくなると言われています。また、慢性不眠・入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒など不眠症状のある人は、良眠している人に比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍となります。
睡眠時無呼吸症候群セルフチェックリスト
- 「ほとんど毎晩いびきをかく」と、家族や周囲の人にいわれる。
- 「睡眠中に呼吸が止まる」と、家族や周囲の人にいわれる。
- しばしば、首を絞められたような窒息感で目覚める。
- 朝、目を覚ましたときにスッキリしない 熟睡感がない。
- 日中に眠気が強く、起きているのがつらいことが多い。
- 居眠り運転で事故を起こしたことがある。
- 夜中に2回以上排尿に起きる。
- 寝汗をかくことが多い。
- 寝相が悪い。
- 肥満である。
- 体がだるい。
- 血圧が高い。
※2項目以上あてはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
簡易検査
簡易診断装置は、睡眠中の呼吸気流と酸素飽和度や呼吸運動、体位、脈拍などを調べることで、SASの疑いがあるかを判別します。主に患者様ご自身にご自宅で測定を行っていただきます。
CPAP療法
現在、唯一の確実なSAS治療法とされています。CPAP装着の翌日には眠気や倦怠感などが軽減され、著しく活力が高まることが少なくありません。
合併症の予防と生命予後の改善が証明された唯一の治療法です。
CPAP療法は保険診療の適応となりますので、定期的な外来受診を行っていただく必要があります。診察ではCPAPの使用状況や自他覚症状の変動などをチェックします。